玄昌石は、南三陸金華山国定公園に属する国有林から採石され、その埋蔵量は無尽蔵とも云われており、玄昌石を素材とした雄勝硯は全国の硯生産高の90%を占め、また、黒色緻密な薄板状の天然スレートは、現東京駅の屋根材として使用されているほか、国内において数多くの建築遺産にも使用され全国的にも有名です。
この石の正式な名称は、地質学的には北上山系登米層古生代上部二畳紀(2・3億年前)に属する黒色硬質粘板岩で光沢・粒子の均質さが優れ、その特性は純黒色で圧縮・曲げに強く吸水率が低く、化学的作用や永い年月にも変質しない性質を持っています。また、石肌の自然模様はいつまでも見飽きることのない優雅さがあり、柔らかな黒髪を思わせる女性美を持っています。宮城県石巻市(旧桃生郡)雄勝町周辺のこの地域は、二畳紀後期に登米海と呼ばれる深い内海があり、粘土や泥が堆積し、それが白亜紀前期の地殻変動で褶曲を受けスレート壁開と地層の堆積構造とは著しく異なり、黒色の色味は粘土中の炭質物によります。 |